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畠中美希

鍼をすると「脳」の中で何が起きる!?〜鍼治療が脳に及ぼす影響〜

鍼を体に刺すと、筋肉の硬さが和らいだり、血流がよくなったりと様々な反応が起こります。そして、全身の司令塔とも言うべき「脳」も鍼の刺激に反応するのです。


今回は、『鍼をすると「脳」の中で何が起きる!?』と題して、近年研究により解明が進んでいる”鍼治療が脳に及ぼす影響”についてお伝えしていきます。





目次


  1. 脳から鎮痛剤が放出!?

  2. ストレス緩和、感情の安定にも関係!?

  3. 認知機能の向上!!

  4. まとめ



1. 脳から鎮痛剤が放出!?


脳内のエンドルフィン放出

  鍼治療は脳内のエンドルフィン(自然の鎮痛剤)やエンケファリンの放出を促進します。これにより、痛みの感覚が軽減されます。


脳の痛み処理領域の活動

  MRIやPETスキャンの研究によれば、鍼治療は脳の痛み処理に関連する領域(視床、大脳皮質、前頭前野など)の活動を変化させます。これにより、痛みの認識と感受性が低下します。



2. ストレス緩和、感情の安定にも関係!?


副交感神経の活性化

  鍼治療は副交感神経系を活性化し、交感神経系の活動を抑制することで、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を減少させます。これにより、リラックス効果が得られます。


脳内のGABAレベルの上昇

  最近よく耳にする「GABA」。「GABA」(ガンマアミノ酪酸)は、脳の興奮を落ちつかせてくれる神経伝達物質であり、リラックスや不安軽減に関わります。鍼治療はGABAの分泌を増加させることで、精神的な安定を促します。


セロトニンとドーパミンの調整

  「幸せホルモン」のセロトニンやドーパミン。鍼治療は、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質のバランスを調整し、気分の安定や幸福感の向上を助けます。



3. 認知機能の向上!!


血流の増加

  鍼治療は脳への血流を増加させ、酸素や栄養素の供給を改善します。加齢やストレスなどは、脳血流量を減少させることがあり、これが注意力や記憶力の低下を招くことに繋がります。また、脳血流量の減少は、認知症などの神経変性疾患のリスクを高めるとされています。鍼刺激は脳の血流を改善し、これが記憶力や注意力の向上に寄与するとされています。


神経可塑性の促進

 鍼治療は脳の神経可塑性(ニューロプラスティシティ)を促進し、新しい神経回路の形成を助けます。これにより、学習能力や記憶力が向上ことが期待されています。


【科学的証拠】


複数の研究により、鍼治療が脳に与える影響が科学的に証明されています。例えば、Functional MRI(fMRI)を用いた研究では、鍼治療が脳の特定の領域を活性化または抑制することが確認されています。これにより、痛みやストレスの緩和、感情の安定に寄与していると考えられています。



まとめ


鍼治療は、脳内の神経伝達物質のバランスを調整し、痛みの感覚を軽減、また感情を安定させるなど、辛い体の状態を回復させることができます。また、鍼治療によってもたらされる脳血流量の増加は、高齢化やストレス社会の現代には必要なケアの1つです。”なってから”ではなく、”なる前”の予防ケアとして取り入れると良いですね。


気になる方は、是非一度、鍼治療を受けてみてはいかがでしょうか。





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